「若手ジャズ・ミュージシャンの支援」を掲げた一般社団法人横浜Jazz協会と横浜ジャズクラブのコラボレーション企画「YYL(横浜ヤングライオンズ)」の第4弾は、ストレート・アヘッドな女性ジャズ・サックス奏者として注目の江澤茜をフィーチャー。

以下は江澤茜さんに取材してフライヤーに掲載したインタヴュー記事です。

■オケに憧れて音大志望
 1992年生まれの江澤茜は、5歳のときに東京から横浜へ引っ越してきた。音楽的な記憶は東京時代の3歳ごろのことだという。ジャズ好きな両親が通っていた下北沢のジャズ喫茶「Posy」に連れられて、「いつも奥の席で、寝かされてたんですけどね(笑)。ただ、店の看板に描かれていたメガネの人が、記憶に残っています」。そのメガネの人がビル・エヴァンスだと知ったのは、だいぶあとになってのこと。
 4歳からバレエを習っていたが、中学では吹奏楽部に打ち込むようになる。当時の夢が「オーケストラの団員になること」だったので、高校に進むと先生に師事して音大をめざす。ところが「やっぱりジャズがいい!」と方針を転換、校外活動でビッグバンド(横濱音泉倶楽部)に参加しながら、大学は昭和音楽大学ジャズコースを志望する。
「そのころはトミー・ドーシーやグレン・ミラー、ベニー・グッドマン、カウント・ベイシーといったビッグバンドジャズを聴くのが大好きで、ジャズは楽しいし、将来ずっとやっていくのならこういう音楽がいいなって思ったんです」
■なんてったってスティット
 大学では主に近藤和彦に就いて、アドリブのイロハからみっちりとジャズを学んだ。
「もともとビッグバンドが好きで、プロをめざすために入学したけど、卒業するころにはコンボのほうがやりたくなっていました(笑)」
 アイドルは誰かと問うと、「ソニー・スティット!」という答えが返ってきた。学校の課題でプロの演奏をトランスクライブ(=コピー)をしまくっているなかで、ハードバップのミュージシャンに傾倒するようになり、なかでもスティットが「もうほかの音楽は必要ないというぐらい」の、いちばんのお気に入りになってしまったそうだ。
 目標となる人がいて、邁進できる環境に身をおけることは、ある意味で恵まれすぎていたと言えるかもしれない。一方で、オリジナリティをなによりも重視するといっても過言ではないジャズでは、「スティットがいればスティットもどきは必要ない」とされるのも事実。そのジレンマは、プロをめざすものにとってクリアしなければならない壁でもあった。
「そのときそのときでやりたいことをトコトン追求すれば良い、と助言をもらったことがあります。いまはほかにも好きなミュージシャンがたくさんできましたが、なにもかもが新鮮な学生時代にスティットの音楽に出会えて良かった。正直に自分の好きなものを追い続けていれば、やがて個性は音に出てくるものだと思っています」
 さて、9月13日のステージでは、2管クインテットで登場する予定。
「このメンバーではもう2年ほど演奏を続けてるんですけど、みんな同世代であたたかな人ばかりです。特にリズムセクションの3人はとても息が合っていて、我ながらいいバンドだなぁって思いながら私も一緒に演奏しているんですよ(笑)。基本的には私の書いたオリジナルの曲を中心に、ライヴでもスタンダードを挟んで7~8割はオリジナルになると思います。アルトとトロンボーンの2管は珍しい組み合わせですが、この編成を念頭に書いた曲も多くて、ハーモニーを楽しんでもらえれば嬉しいですね」
 最後に抱負を。
「ビッグバンド、バップ、ウエストコースト、フリー、コンテンポラリーと、これまで私が聴いてきて大好きになった音楽が、少しずつオリジナル曲や演奏に組み込まれています。全身全霊で挑む、いましかできない私たちのジャズを、ぜひ聴きにいらしてください!」
(聞き手・富澤えいち)

白楽ブルースエット
https://blues-ette.com


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